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2012年4月の読了本

再読を繰り返しております。
血となり肉となってきた書物です。
何度読んでも最初に受けた衝動は変わらず、がんがん響いてきます。


4月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3507ページ
ナイス数:108ナイス

拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1)拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1)
戦争やら疾患やら扱うモティーフは重々しく救い難い。けど、リング際に追いつめられ連打を浴びようとも痛みをパワーに還元しようとする力強さがある。瀬戸際の入魂のカウンターパンチは生への渇望だ。背景の乾いた外気との対比がクール。久々にドアーズが聴きたくなった。岸本佐知子の男前な訳文もよかった。
読了日:04月28日 著者:トム・ジョーンズ

白鳥の歌なんか聞えない (新潮文庫)白鳥の歌なんか聞えない (新潮文庫)
青い。青臭すぎる。でも本当は薫くんみたいな男の子、女子はみんな大好きなんだよね。それは時代が変わったって変わらないと思う。生きること死ぬこと真正面から立ち向かって悩んで大事な女の子を一生懸命守る。もがき苦しまないと見つけられない答えがある。そこから逃げちゃいけないってこと、薫くんから叱咤激励された気分で読了。
読了日:04月24日 著者:庄司 薫

目玉 (新潮文庫)目玉 (新潮文庫)
再読。旅のお供として新幹線の中で読了。主に病気に纏わるエッセイ風短編小説集。実にたくさんの病気と共生されてきた方なのですね。そこから甦る昔の記憶や情景、人間との関わりを淡々と語られるエピソードはシニカルでいて優しく粋な味わいです。白内障で先輩風を吹かす埴谷雄高とのやりとりが可笑しい。ひと昔前の文士はダンディ揃いで本当にステキです。
読了日:04月22日 著者:吉行 淳之介

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)
再読。何度読み返しても読むほどに心が切なくなる。これほど純粋な魂をつきつけられちゃうと汚れた自分が悲しくなる。死んじゃいたくなる。でも本当に大事なもの、たったひとつのものを守るためだけに生きていきたくなる。実は座右の書だったりする。
読了日:04月20日 著者:高橋 源一郎

フランス幻想小説傑作集 (白水Uブックス (71))フランス幻想小説傑作集 (白水Uブックス (71))
訳調も古めかしく古典的な味わいを満喫できた。リラダン「ヴェラ」とジュール・シュペルヴィエル「沖の娘」、 ジェラール・クラン「怪物」が好み。やはりロブ=グリエは睡眠効果抜群だ。
読了日:04月15日 著者:窪田 般弥,滝田 文彦

優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)
再読。なぜ私がこの小説が好きなのか。かつて10代の頃とてもサヨク的なものに憧れていた時期があった。でも活動するほどでもなくそれはそれで違和感だし増してやそんな度胸もない。ちょうどそんな時この小説を読んで腑に落ちた。サヨクはある種の人間にとってファッションだったと思う。そのこと差別化するにはパロディは最適なスタイル。得てしてこの嬉遊曲は私みたいに軟弱な似非サヨクのためのアンセムとなる。
読了日:04月14日 著者:島田 雅彦

薔薇密室 (ハヤカワ文庫 JA ミ)薔薇密室 (ハヤカワ文庫 JA ミ)
すばらしい!頽廃が醸し出す芳醇な香り、現実と虚構のあやふやな境界で私の三半器官は狂いっぱなし。美酒に悪酔いした気分。それでも現実を本当のことを知りたいと渇望する登場人物の心根があるからこの小説は退廃しない。実は生きるための物語。複雑なプロットの繋がりやミステリーとしての謎解きも見事。贅沢すぎる一冊。
読了日:04月12日 著者:皆川 博子

ロンリー・ハーツ・キラー (中公文庫)ロンリー・ハーツ・キラー (中公文庫)
背筋が凍った。現代(設定は近未来らしいが)日本社会の行き詰まり、出口のない閉塞感、死にたがりのロンリーハート。恐ろしいほど現実に即している。寓話じみたディストピア小説よりこの限定した具体性が怖い。崩壊した共同体、大人になりきれない子供だらけの島国でもなおこの作家は言葉の持つ力を絶対的に信じている。最後のモクレンの台詞に托される。救いはある。
読了日:04月08日 著者:星野 智幸

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)
何度目かの再読。初期の大江を読むには決意が必要。なぜならそれは自分の心の奥に隠蔽してある大きな黒い塊と対峙すること必然だから。しかし目を背けるな。とにかく凄い小説。これほど痛みを伴う小説を未だ知らないし、以後これを超える小説が出てくるのか?と懸念すらする。これから死ぬまで何度も重い腰を上げながらもこの本を読み返すことだろう。やれやれ。それは渇望である。
読了日:04月06日 著者:大江 健三郎

うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫 Aウ 5-1)うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫 Aウ 5-1)
新訳が出たということで。既存2訳より読みやすく、特に後半はこんなに激しくドラマティックな流れでしたっけ?と一気読み。大変美しい小説であること再確認しました。でも私は伊東訳が好きです。
読了日:04月02日 著者:ボリス・ヴィアン

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

# by twinklelittlebat | 2012-05-06 23:25 | magazine & book | Trackback | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー

「あ~ん」を好きな小説で埋める

Twitterのほうでそこそこ反響があったのでこちらにも転載。


あ:『悪童日記』アゴタ・クリストフ

い:『インド夜想曲』アントニオ・タブッキ

う:『兎』金井美恵子

え:『エレンディラ』ガブリエル・ガルシア・マルケス

お:『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー

か:『枯木灘』中上健次

き:『巨匠とマルガリータ』ミハイル・ブルガーコフ

く:『草の花』福永武彦

け:『血族』山口瞳

こ:『コインロッカー・ベイビーズ』村上龍

さ:『さようなら、ギャングたち』高橋源一郎

し:『少女架刑』吉村昭

す:『スローターハウス5』カート・ヴォネガット

せ:『戦争の法』佐藤亜紀

そ:『ソンブレロ落下す ある日本小説』リチャード・ブローティガン

た:『たんぽぽのお酒』レイ・ブラッドベリ

ち:『長距離ランナーの孤独』アラン・シリトー

つ:『罪と罰』ドストエフスキー

て:『電気羊はアンドロイドの夢を見るか』フィリップ・K・ディック

と:『とらんぷ譚』中井英夫

な:『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

に:『肉桂色の店』ブルーノ・シュルツ

ぬ:『沼 』皆川博子

ね:『ねじまき鳥クロニクル』村上春樹

の:『ノラや』内田百閒

は:『パルタイ』倉橋由美子

ひ:『日々の泡』ボリス・ヴィアン

ふ:『ブリキの太鼓』ギュンター・グラス

へ:『変身』フランツ・カフカ

ほ:『ホテル・ニューハンプシャー』ジョン・アーヴィング

ま:『真夏の死』三島由紀夫

み:『未来のイヴ』ヴィリエ・ド・リラダン

む:『ムーン・パレス』 ポール・オースター

め:『目玉』吉行淳之介

も:『モモ』ミヒャエル・エンデ

や:『優しいサヨクのための嬉遊曲』島田雅彦

ゆ:『夢の島』日野啓三

よ:『夜の果てへの旅』ルイ=フェルディナン・セリーヌ

ら:『ラピスラズリ』山尾悠子

り:『りすん』諏訪哲史

る:『ルート350』古川日出男

れ:『冷血』トルーマン・カポーティ

ろ:『路上』ジャック・ケルアック

わ:『われらの時代』大江健三郎


これ3ヶ月くらいかけてコツコツ完成させました。ヒマ人です。アホです。
1作家1作品、小説に限るです。
「は」が激戦区で悩ましかったです。
挟み撃ち、バレエメカニック、ハーモニー‥
逆に「り」と「る」がぜんぜん思いつかず「リア王」でいっか〜?なんてさ。
実は「ぬ」も苦戦しました。
ちょっと反則かもです。
北杜夫『楡家〜』か『幽霊』どちらか入れたかったけど余地なし。ざんねん。
ということで好き度のムラが激しいです。

# by twinklelittlebat | 2012-04-24 23:39 | magazine & book | Trackback | Comments(4)

『マッピー』用ボーダー

2012年3月の読了本

3/30クアトロのフリクション行ってきましたー。
イマイアキノブ氏ギター飛び入りゾーントリッパー痺れました。
レックがもうべったりでちと達也がかわいそうでしたが。
う〜む、微妙な三角関係?
しかしギターほしいですよね、ね?
同日、石橋凌を初めてみました。
わたしARBってぜんぜん聴かない人でしたから。
なかなかの貫禄でしたな。


ひょえー、3月は18冊も読んだのですね。
病的ですねえ。

3月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:5285ページ
ナイス数:94ナイス

XのアーチXのアーチ
15年ぶりに再読。すばらしい。エリクソンの恐るべし妄想の集大成。運命の女サリーを核としたプロットがいくつも絡み伏線を張りながら物語は収束、いや解放へとつき進む。いくつもの時空を飛び越え広がる空間に終始圧倒され良い意味で疲れた。架空都市「永劫都市」や猛獣が徘徊するベルリンの描写も幻想的かつ退廃的で読み応えたっぷり。どんでん返しもあり。怪傑作だ。
読了日:03月31日 著者:スティーヴ・エリクソン

日本幻想小説傑作集 (2) (白水Uブックス (76))日本幻想小説傑作集 (2) (白水Uブックス (76))
時々、本棚の隅からいつ買ったのかも覚えていない未読の本が出てくる。これもそんな一冊で儲け物の気分で読んだ。阿刀田高編のアンソロジー。漱石と日影丈吉と中井英夫以外は未読で、思いがけず皆川博子の昔の作品を読むことができて実に儲け物の気分。寝しなに読むのに最適な掌編集。
読了日:03月28日 著者:阿刀田 高

インド夜想曲インド夜想曲
再読。不眠のわたしと旅するわたし。この仮ものの体にどれほどの荷物をつめこみ生きていこうというのか。追悼。
読了日:03月26日 著者:アントニオ・タブッキ

蜘蛛女のキス (集英社文庫)蜘蛛女のキス (集英社文庫)
同性愛者モリーナが監獄で同室の政治犯バレンティンに夜な夜な語る映画のストーリーが主体、それに様々なモチーフが蜘蛛の巣のように絡まり悲しいほど繊細で美しいタペストリーと化します。白いサテンの生地がたゆたう海のようだったりスパンコールを散りばめた月だったり。モノクロームの映像と相交わり一層切なくなります。
読了日:03月26日 著者:マヌエル・プイグ

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
The Indifference Engineの少年の心の葛藤に、意識に共鳴します。純粋であることってどれほどの痛みを伴わねばならないのでしょうか。泣かせます。とても思考を促してくる作家です。私の意識はいつもより過敏になります。でもいったい意識ってなんなのでしょう。もっともっと読んで感じて考えたかったのに‥。残念でたまりません。
読了日:03月22日 著者:伊藤 計劃

夢宮殿 (創元ライブラリ)夢宮殿 (創元ライブラリ)
静かにじわ〜っと恐怖が込み上げてくる小説です。夢という無意識までを国家に管理支配されてしまうですから。多少の違和感を抱きながらも一族の血を見てさえも保身ゆえ躊躇いなくとんとんと出世する主人公(ヨーゼフ・Kを彷彿させるキャラ!)は異様なようで実にありがちな人間像です。全体主義への寓意と読み解くのでしょう、今の時代と照らし合わせて更に救いがないことを実感してしまうことがいちばん恐ろしいです。
読了日:03月20日 著者:イスマイル・カダレ

魚神 (集英社文庫)魚神 (集英社文庫)
サクサク読めました。閉じられた世界、倒錯性、舞台の小道具からもいちいち幻想的なのですが毒性は薄かったです。剃刀男のキャラはかなり好みでしたが最後の陳腐な台詞には苦笑してしまいました。少女マンガみたいです。それなりに面白かったです。
読了日:03月18日 著者:千早 茜

戦争の法 (文春文庫)戦争の法 (文春文庫)
オペラと文学を愛好する少年ゲリラですぞ。設定だけでもうクラクラでしょ。硬質な文体でドラマを抑えようとすればするほど切先からロマンが溢れ出てくるという矢鱈かっこいい小説。任侠もある。痺れた。傑作。
読了日:03月16日 著者:佐藤 亜紀

マリ&フィフィの虐殺ソングブック (河出文庫―文芸コレクション)マリ&フィフィの虐殺ソングブック (河出文庫―文芸コレクション)
クソにはクソの美学がある。上等じゃん。
読了日:03月13日 著者:中原 昌也

後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)
なかなか困難かつ不思議な読書でした。幾度となく巨大な眠気に襲われ幾度となく挫けそうになりながらもなぜかしらん手放せず。理解などとてもほど遠いけど最後のページを閉じた時、どこまでも高く深く無音で無限の広がりの中にしんと佇む自分を感じるのでした。
読了日:03月12日 著者:円城 塔

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)
いかにもの小川ワールドなんだけど、なんなんだろ?イライラ感がずっとつきまとった。フリークス=純粋的な定型のいきづまり。小さな空間に小さく体を縮こませなきゃ世界を構築できないという感覚がよくわからないし、アリョーヒンのイメージする世界の(海中の)光景には息苦しささえ感じてしまう。
読了日:03月10日 著者:小川 洋子

白檀の刑〈下〉 (中公文庫)白檀の刑〈下〉 (中公文庫)
素晴らしかった。初めて読む現代中国文学。何度も度肝を抜かれましたよ。清朝末期の史実を背景にそれぞれ個性的な5人の語り手による物語に心は囚われ息つく間もないほど。。身がすくむような処刑場面のおぞましさ、地方芝居猫腔の哀切な調べが絡み合いながら大団円となり悲劇として幕は下り。極悪極上のエンターテインメント。吐き気をもよおすほどに大満腹でございます。
読了日:03月09日 著者:莫 言

白檀の刑〈上〉 (中公文庫)白檀の刑〈上〉 (中公文庫)
奇想天外。べらぼーにおもしろい。そして猫腔の歌声が哀しく響く。いざ下巻へ。
読了日:03月07日 著者:莫 言

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)
薫くんは自意識過剰にしたホールデンていう感じ。エリート意識が鼻についたけど、後半ブラックな薫くんの一面を垣間みて思い直しました。学生が政治に夢中になっていた時代、側面をクールに気障にしかし実体はホットに知的に考え悩んでいた高校生がいたんですね。今後の薫くんが気になります。
読了日:03月04日 著者:庄司 薫

文字移植 (河出文庫文芸コレクション)文字移植 (河出文庫文芸コレクション)
難解でした。メタファーを理解しようと途中まで四苦八苦読み進めましたが、言葉が織りなすイマジネーションに身をやつすことに切り替えました。不安定で圧迫される行き止まりの臨場感は三半器官を狂わす大変心地悪いものではあるのですが私は好きなんです。この不可解な異物が。文字が。
読了日:03月03日 著者:多和田 葉子

たまさか人形堂物語 (文春文庫)たまさか人形堂物語 (文春文庫)
津原さんはとってもお人形がお好きなんだな、ということがとってもよくわかりました。バレメカや11のカオスを期待して読むとちょい物足りんです。が唯一書き下ろし「最終公演」の異端っぷりその冷ややかさは流石の津原マジック。堪能しました。
読了日:03月03日 著者:津原 泰水

犬婿入り (講談社文庫)犬婿入り (講談社文庫)
「犬婿入り」テーマは面白いし惹かれるよ、けど表層がな。表層って案外大事なんだよな。「ペルソナ」のほうが好みですわ。
読了日:03月02日 著者:多和田 葉子

カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)
面白かった。定評あるナボコフのレトリックを意識しながら読んだので一層楽しめた。三文芝居的ストーリーがなんとふくよかになることか。さすが言葉の魔術師。『カメラ・オブスクーラ』というタイトルは絶妙。視覚的意識の描写ゆえかヒッチコックの映画を観ているかのような錯覚に陥る。
読了日:03月01日 著者:ナボコフ

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
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# by twinklelittlebat | 2012-04-06 22:02 | magazine & book | Trackback | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー

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